カンビーニって・・・・
モーツァルトの伝記を読んでいると、ある共通の傾向が気にかかります。それは、彼の人生に関わるイタリア人音楽家がごく一部を除いて概ね「無能」であるということです。ううん、これってチョイ意図的で民族差別っぽいと思うんですがね。
まず有名なのがサリエリ・・・・モーツァルトの才能に嫉妬して毒殺した張本人と言われ続けてきました。ただ今ではこの説を信じる人はあまりいません。二人目が神聖ローマ皇帝の前でピアノ競演したクレメンティ。モーツァルトはこのときのライヴァルを「右手の動きは大したものだが所詮機械屋で感情がない」などと酷評してます。
そして三人目の無能者はジュゼッペ・マリア・カンビーニでしょう。カンビーニといえば、実は我がボッケリーニとその盟友マンフレーディ、そしてナルディーニと一時期「トスカナ四重奏団」という名の楽団を組んでパリで一世風靡した人です。カンビーニはボッケリーニたちがスペインに去った後もパリを離れず、当地で死んだともオランダに渡って死んだともされています。ご多分に漏れず晩年は没落したため、最期すらよく解かってないのです。
さてカンビーニはある罪で疑われているのですが、それはモーツァルトの作った協奏交響曲を彼の才能を妬んで故意に紛失させたと言うものです。モーツァルトが父親宛の手紙にそう書いています。そして急遽代わりに演奏されたのはカンビーニの作品でした。これが事実かどうかはサリエリの場合と同じく解明されていません。ただしサリエリの事件以上に信憑性を持って語られているのは事実です。
カンビーニのCDはほんのわずかしか出ていません。交響曲と協奏交響曲、管楽五重奏曲、弦楽四重奏曲の数曲を聴いてみると、特に弦楽四重奏曲など構成も大きくボッケリーニばりの堂々たる音楽です。ことにメロディーの美しさはフランス趣味でしょうか、まったくクセがなく自然に耳に入ってきます。恐らく欠点と言えばその耳心地のよさが逆に個性を見出しにくくしている点くらいでしょうか・・・・ただしこれももっとカンビーニを聴きこむチャンスを得られるのなら解消される問題かもしれません。100曲以上の弦楽四重奏曲や80曲の協奏交響曲の大半が眠ったままですから。
カンビーニの罪・・・・私はその音楽を聴く限り、モーツァルトの言いがかりじゃないかと思ってしまいます。その音楽からは自信のない三流作曲家のイメージはありません。そして仮に無実だとして、そのことでカンビーニの音楽が不当に評価されてきたのだとしたら、それこそ逆にモーツァルトの罪ではないかと思ってしまいます。いずれにせよ勿体ないですね、聴かず嫌いは。
カンビーニ画像UP!
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